マグロ資源を守る那智勝浦漁港を応援したい

海からの恵みであるマグロ資源を守るため、和歌山県の那智勝浦漁港は「延縄（はえなわ）漁」というエコな漁法にずっとこだわってきました。 目先の利益より未来のことを考え、マグロの乱獲につながる巻き網漁の船は一切入港させない、気骨ある港です。

立ち上がる、さわかみ生まぐろ直販クラブ

「我々漁業関係者には、子や孫の世代まで天然のマグロを残す責任がある。 魚たちの繁殖能力を超えるような漁業をしてはいけないんです」 （ヤマサ𦚰口水産４代目社長 𦚰口光太郎氏）

彼らの気概にこたえようと立ち上がったのが、我々「さわかみ生まぐろ直販クラブ」です。

志ある本物の生産者と消費者をつなぎたい

スーパーやお寿司屋さんでは、それがどんな漁法で獲られたマグロなのか分かりません。 マグロ資源を守るには、延縄漁の良さと那智勝浦の取り組みをより多くの人に知ってもらい、 消費行動を通じて協力してもらう必要がある。 私たちはそう考え、𦚰口水産と力を合わせて那智勝浦のマグロを全国へ直接販売する仕組みを築きました。

マグロが食べられなくなる日

いま、世界中で海洋資源の枯渇が進んでいます。マグロも例外ではなく、 長年の乱獲によってクロマグロなどいくつもの種が絶滅危惧種等に指定されています。 日本は世界最大のマグロ消費国として、この問題を何とかしなければなりません。

乱獲につながる「巻き網漁」

マグロ漁には、主に「巻き網漁」と「延縄漁」があります。「巻き網漁」は、魚群を囲い込んで一網打尽に引き揚げる漁法です。 一度で大量に獲れるため極めて効率的ですが、子どもや産卵期の母親も含めて根こそぎ獲ってしまうので、海洋資源を枯渇させる危険があります。

環境にやさしい「延縄漁」

対して「延縄漁」は、１本の長い縄から釣針をつけた多くの枝縄を垂らし、マグロがかかるのを待つ漁法です。釣れる魚は群れのごく一部（数％）。 小さいマグロは針にかからず、産卵期の母マグロはエサを食べないため、それらは基本的に延縄では釣れません。日本で生まれた、環境にやさしい漁法です。

延縄漁で獲れたマグロは味もよい

巻き網漁は一度で大量に獲れるため、網の中で魚がぶつかり合って身が傷んだり、船上で素早く処理できず鮮度が落ちたりします。 一方、延縄漁は１匹ずつ魚を船へ上げるため身が傷みにくく、かつ素早く「活け締め」できるため、質の良いマグロを提供できます。

1.「延縄漁」へのこだわり

1981年以降、那智勝浦漁港は「巻き網漁船」の入港を一切認めていません。水揚げされるマグロのほとんどが延縄漁によるもの。 目先の利益より未来を考え、「量より質の漁業」へと舵をきったのです。

2.「生まぐろ」へのこだわり

生まぐろとは、単に「加熱していないマグロ」という意味ではなく、「一度も凍らせていないマグロ」のことです。 モチモチした食感とマグロ本来の旨味があり、「解凍もの」とはまったく違います。マグロは冷凍すると細胞が壊れ、 解凍したときに旨味が流れ出てしまうのです。那智勝浦漁港は「生」にこだわり、すべてのマグロを生で水揚げしています。

２つの問題を解決

1. マグロは獲れる時と獲れない時があり、たくさん獲れると二束三文で買い叩かれ、獲れないと売上が少なくなります。 そのため延縄漁師の収入は安定せず、後継者不足の大きな原因にもなっています。
2. また、マグロには種類ごとに旬があり、一番美味しい時期は一年のうち数か月と限られています。

細胞を壊さない「独自の冷凍技術」

一般的な冷凍マグロは魚体を丸ごと凍らせるため、硬い皮の中で身が膨張して細胞が壊れ、旨味が流れ出てしまいます。 一方「海桜鮪」は、生で水揚げしたマグロを新鮮なうちに解体して柵状にし、独自の特殊冷凍技術で細胞が壊れないように凍らせます。 解凍方法も簡単で、味わいは生そのものです。

消費者と漁師さんのWin-Winをめざして

𦚰口水産では、この技術を使って旬の時期にたくさん獲れたマグロの一部を海桜鮪に加工し、マイナス60度で冷凍保存しています。 これは、マグロの値崩れを防ぎ漁師さんの収入を安定化すると同時に、我々消費者は一番美味しい時期のマグロを通年食べられるという革命的な仕組みなのです。

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